5号「歩く」 |
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・樹から降りて歩き出した猿の話(1面)
直立して歩き出す
かつてのアフリカは緑の豊かな森林地帯で、400万年前にはヒトの祖先(霊長類・ヒト科)が樹上の生活を営んでいました。
猿人類の2足歩行への進化の痕跡は、1000万~500万年前にさかのぼるといわれています。
『種の起源』で有名なダーウィンによると、人間の祖先はアフリカ大陸に棲んでいたチンパンジーやゴリラに近いそうです。
長い間、ヒトは神によって造られたとされていました。『創世記』によれば、人は最初から二本足で歩いています。
この考え方をくつがえしたのがダーウィンで、ヒトは最初から歩いていたのではなく、直立2足歩行は、進化の結果だとされました。
生物は神によって造られたものではなく、進化によって造られたとするダーウィンの進化論は、コペルニクスの天動説に匹敵する知の革命です。
アフリカのタンザニアで、およそ400万年前の猿人の足跡が見つかり、アフリカ・ケニアでは、約150万年前に生存していた原人のものと思われる足跡の化石が発見されています。この化石によって、その頃の猿人がすでに現代人と同じような歩き方をしていたことが証明されました。
食と住まいを求めて
足で立って歩くようになり、遠くがよりよく見えるようになりました。そして、手が自由に使えるようになり、脳が発達していきました。こうしてヒトの生活能力が高まっていったのです。
脳の進化により人類は道具を手に入れるようになりました。石を砕いて鋭利な剥片を作った石器時代は、250万年間も続いたといわれています。食を得るため、敵から身を守るためにヒトは、歩き、走ったのです。こうして「安全、安眠の棲処」が獲得されました。人にとって歩くことは生活の基本です。歩くことの意味を改めて考えたいと思います。 (西原町・K)
心臓を助けるウオーキング
地球上における人類の繁栄は、実に大脳の進化をもたらした直立2足歩行によることが多いのですが、いくつかのマイナス面があります。腰痛や肩凝りに苦しんでいる人は多いと思いますが、これは他の動物には見当たらない人類特有の症状とされています。重力に逆らってからだを縦に維持しているため無理な力が加わっているのです。また、からだが直立しているために、全身へ血液を送り出す心臓に負担がかかっています。
がんばっている心臓を応援するいい方法がありますが、何か分かりますか。答えは、歩くことです。
歩行により、足の筋肉が伸びたり縮んだりしますが、この時、足の血管を筋肉がもむことになります。その動きにしたがって血液が心臓の方に戻ります。足の筋肉が血管の周りで乳搾りするように伸び縮みすることから、ミルキングアクションといわれています。ウオーキングが血液のめぐりを助け、健康を増進します。皆さん大いに歩きましょう。
・ドクターきらっと・好奇心の部屋(2面)
・西東京の歴史」を歩いて(3面)
・トンボのめがね、まちの声(4面)